心身共に健全に働くための環境作り
一人ひとりが活き活きと活躍するために
わたしたちは「DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」に本気で取り組んでいます。
その根幹にあるのは、「人権の尊重」と「企業競争力の向上」です。
一人ひとりが、イキイキと働きながら自分らしさを活かし、能力を最大限に発揮するため、いかなる理由であっても、個人が尊重されていない状況を看過しません。
何をおいても妥協できない「人権」の問題として、断固とした姿勢で臨みます。
多様な視点・経験・価値観を持つ社員が増え、一人ひとりがお互いをリスペクトし合い、イキイキと働くことで、イノベーションの創出、意思決定の質の向上といった、持続的な企業価値の向上、そしてパーパス実現につながります。
この「人権の尊重」と「企業競争力の向上」の2つの観点でわたしたちが推進する「DEI」は経営戦略の柱の1つであり、企業の存続をかけた重要な取り組みなのです。
DEI浸透の取り組み
社内における現場主導の取組み
各職場でDEI Champ(推進リーダー)を任命し、それぞれの職場の特性に応じ、自律的なDEI活動を推進しています。同時に、全社共通DEI施策も推進。2023年より開催のDEI Monthでは、セミナーや体験会などDEIに関するイベントを集中的に実施し、様々なDEIについて触れる機会としております。(24年度:81企画・198件)
加えて、DEI担当役員が全事業場を訪れ、社員とリアルで忌憚ない意見交換をするDEIキャラバンを2017年から続けています。キャラバンでヒアリングした内容を、次の施策に繋げるための重要な取り組みです。
社外企業と連携し、ともにより良い社会の実現へ
社内だけで閉じることなく、社外企業も積極的に巻き込んで様々な取り組みを企画しています。
「Gemba Roundtable」は、現場の目線から働きやすい未来を作るため、社員と役員が一緒に未来について考える新しい形の会議です。他企業様でも実施できるよう、プログラム資料を配布し、活用いただいております。多様な社会の実現を目指す「レインボービジネスネットワーク」は、同じ思いを持った企業同士が連携し世の中を変えていくことを目的に、Ally企業がつながり、交流し、学び合うコミュニティとして発足されました。パナソニック コネクトは、趣旨に賛同し、事務局として全面的な支援をしています。過去、実施した勉強会ではいずれも70社を超える企業が参加。企業から変わる・変えるを実践していきます。
マイノリティギャップ解消の取り組み
性別によるバイアスを持たず一人ひとりを認め合うマインド醸成
意思決定層の多様化を進める取組みの一つが、女性登用の推進です。
女性取締役比率はクリティカルマスの30%以上を達成、女性管理職比率は2035年までに30%へ高めることを目標にしています。異業種他社と合同で「クロスメンタリング」や様々な階層に向けた「異業種研修」などを実施し、女性のキャリア開発を支援します。
男性育休取得の推進
2019年に(株)ワーク・ライフバランスの「男性育休100%宣言」に賛同しています。男性育休ガイドブックの作成・配布や、男性育休取得者の座談会などの活動に加え、2022年10月より出生時育児休業または育児休業について、性別を問わず30日間を有給化。結果、取得率92%、平均取得日数約46日といずれも高水準を実現しています。
誰もが輝ける、働きやすい職場づくり
社員一人ひとりが活き活き働ける職場づくりをトップから発信するため、コネクト執行役員全員がユニバーサルマナー検定3級を取得しました。さらに、障がいを理解し行動につなげることを目的としたマイノリティ体験プログラム(聴覚障がい・視覚障がい・車いす)にも参加、役員自らが多くの気づきを得る場となりました。
現場の声から実現したアクション事例
生理休暇の名称・制度変更
上司に「生理」と直接的なワードで休暇を伝えづらい。そのため、「生理休暇」制度があっても取得しにくい、という声をきっかけに、2023年4月より生理休暇の名称を「たんぽぽ休(通称:T休)」に変更しました。
また、PMSでの取得や半休も可能にする等、個人ごとに異なる生理の悩みに柔軟に対応できるように一部制度の見直しを行いました。
体験会実施・生理用品の備品化
生理痛体験会では、役員を含む社員が参加し、生理痛への理解を深めました。この体験会後のアクションとして、生理用品を女性用お手洗いに設置する取り組みを2024年10月末より開始しました。
卵子凍結への費用補助
2023年10月より卵子凍結に対する助成制度を導入しました。本制度は、当社で働く女性社員が卵子凍結を一つの選択肢として、自分自身の成功・働きがいの実現に向けた 自律的なライフプランを設計することで、より幅広いチャンスを選択できるようにするための制度です。
具体的には、社員が卵子凍結を行うクリニックに対して支払う採卵・凍結費用を40万円を上限に補助します。また、卵子凍結に関する理解を深めるための社員向けセミナーを実施し、ヘルスリテラシーの向上を図ります。
自律的なキャリアやライフプラン設計を支援
事業環境の変化や個人のキャリア意識の多様化を支える人事制度変革
リモートワーク制度やスマートワーク(裁量労働)制度など、従来から行っているものに加え、一人ひとりがより柔軟にキャリアプラン・ライフプランを設計できるよう、様々な働き方を支援する制度をさらに導入しています。
多様なワークスタイルを支える制度
従業員エンゲージメント、やりがい・パフォーマンスの向上を目指し、多様なニーズを踏まえた新しい働き方や休み方を提供しています。年次有給休暇の取得促進に加えて、自律的に休み方を選択するオールシーズン休暇やチャレンジホリデーなど、一律的な休暇設定ではなく、主体的な長期休暇の取得が可能な制度を導入しています。加えて、役員の報酬と休暇取得率を連動させる仕組みを新たに展開することで、積極的な取得を推進しています(2023年度コネクターズチャレンジホリデー99%取得)。
また、週N日(週3、4日)勤務や副業を認めるだけでなく、Work Anywhere制度を導入。従来の許可制から進化させ、働く場所を自ら選択することができる自由度の高い働き方を実現しています。すべての社員が選択肢の一つとして制度を活用し、自律的にキャリアやライフプランを設計できるよう支援しています。
健康経営と労働安全衛生
社員一人ひとりが心身共に健康で働き続けられる安心・安全な職場環境の実現
社員の心身の健康と安全衛生は、自立的・自律的なキャリア形成と、パフォーマンス向上のための基盤となるものです。健康経営の実践により、組織全体のワーク・エンゲージメント、組織パフォーマンスの向上に貢献します。当社は、経済産業省が認定する「健康経営優良法人(大規模法人部門)」において4年連続『ホワイト500』の認定を取得しています。
受動喫煙・三次喫煙のない職場を目指す「イエローグリーンアクション」
職場における望まない受動喫煙・三次喫煙を防止するため、段階的に受動喫煙率を削減し、最終的にはゼロを目指します。就業時間中の禁煙をルール化し、2023年11月からトライアル導入、2024年4月から正式にスタート。ルール化にあたり、喫煙者・非喫煙者に関わらず、全社員のリフレッシュ・コミュニケーション活性化につながるセミナーや環境整備などを実施しています。
職場の労働安全衛生
事業場の安全衛生水準の向上への継続的な取り組みは、単に労働災害を防止するにとどまらず、働く人すべてが健康で安全が確保できる快適な職場形成の実現を促進します。当社の全ての製造拠点において、労働安全衛生マネジメントシステム(ISO45001)を取得済みで、2024年度では行動災害の発生率の前年比30%減を目指します。
顧客価値につながらない内向き仕事の削減とAIアシスタント活用による業務生産性の向上
内向き仕事を徹底的に削減し、価値ある活動にリソース配分
以前からずっとやっているから、という理由で続いているものを棚卸し、顧客起点で見たときに必要がない「内向き仕事」を徹底的に削減しています。週報の廃止、ハンコ業務の約80%削減、電子契約書の導入、承認ワークフローの簡便化など、ビジネス結果につながらないものはゼロから見直し、顧客価値につながる活動にこそリソースを配分するようにしています。
AIアシスタント ConnectAI の導入
業務生産性向上、AI活用スキル向上、AI利用リスク軽減を目的に、社員向けAIアシスタントConnectAIを2023年2月17日から国内全社員に提供開始。提供開始時は「AIに慣れる」ことを目的に、公開情報を元に広い質問に回答する汎用AIでしたが、2024年4月からは目的を「仕事に使う」へ広げ、自社固有の質問に対しても回答する自社特化AIに進化しました。自社データとの連携拡大により、例えば、品質管理に関する質問も社内規定や過去事例をベースにAIがサポートしてくれます。非定型業務を含む様々な業務に活用することで、社員の作業負担を軽減し、アウトプットを最大化します。