プライベートLTE
携帯電話サービスとして提供されている「LTE」を、自営網(企業の自社専用ネットワーク)で利用可能なシステムです。
- 自営等BWA ( 2.5GHz) とsXGP ( 1.9GHz )による2方式があり、それぞれ半径約1~2kmおよび約100mのエリアをカバーします。
- プラント敷地内などの屋外広範囲向けの自営等BWA、屋内PHSの置換えとしてのsXGPとして注目されています。
- 2.5GHz帯の自営等BWAを敷設・利用する場合、電波法に基づく免許の取得が必要です。一方、1.9GHz帯のsXGPの敷設・利用に免許の取得は不要です。
- 専用SIMによるスマートフォン・タブレットのセキュアネットワークを実現
- IP-PBXとの連携による通話機能や、チャット・動画共有・業務アプリケーションなども利用可能
- IoTデバイスとの連携でセンサー情報などの伝送路としても期待
システム/商品構成
パナソニックでは自営等LTEのトータルシステム及び運用サービスをワンストップで提供します。
※伝送速度
- 自営等BWA(2.5GHz):下り約110Mbps/上り約10Mbps(環境条件により異なります)
- sXGP(1.9GHz):下り約14Mbps/上り約4Mbps(環境条件により異なります)
現場を最適化するローカルネットワーク
当社は、複数のネットワークを統合的に管理・運用する技術として、マルチアクセス技術を開発しており、複数のPLMN-ID(携帯電話の国際的な識別番号)を認証するLTEコア(ローカルコア)を提供しています。
共通のLTEコアでsXGPと自営等BWA、それぞれのシステムに共通のSIMで認証することができるため、これらのネットワークの統合的な管理が可能となります。
これにより、例えば屋外などの広域エリア(自営等BWA)から、屋内エリア(sXGP)への移動時においても安定した通信・通話が可能になります。
耐災害性
自営網・ローカルコアのオンプレミス型配置により非常時・輻輳時に強い通信の実現
高セキュリティ
SIM認証と暗号化技術・閉域網によるセキュリティ性の高い通信の実現
柔軟設計
運用に最適な帯域制御や優先接続などの柔軟な設定が可能
高速大容量・柔軟なサービス設計・標準技術/汎用端末活用によるコスト低減が図れます。
sXGPシステム
sXGPシステムとは
免許不要の1.9 GHz帯の周波数を利用するLTE方式で、主に音声通話中心の構内PHSからの置換えや、ネットワークシステムの高度化、統合管理を目指す企業、また倉庫や工場で、複雑な配線やアンテナの設置に制約があり導入を断念せざるを得なかった企業を中心に、セキュアで出力の高い自営モバイルネットワークの構築を実現します。
sXGPの特長
1. 共通のLTEコアによる統合管理
共通のLTEコアでsXGPと自営等BWA、それぞれのシステムに共通のSIMで認証することができるため、これらのネットワークの統合的な管理が可能となります。
これにより、例えば屋外などの広域エリア(自営等BWA)から、屋内エリア(sXGP)への移動時においても通信・通話が可能になります。
2. 基地局1台で最大32台同時接続
多数の端末が配備される環境下でも少数の基地局でカバーできるようになります。 これにより、複雑な配線などが不要となり、自由度の高いエリア設計を実現できます。
3. オンプレシステムで災害に強いネットワーク環境
通信経路を制御するローカルコアを閉域網内に配置するオンプレミス型のシステム構成を採用し、外部回線の影響を低減することで、災害時でもローカルコア内の接続を確保、通信の輻輳(混雑)が発生するリスクを低減します。
ハンドオーバーに強い sXGP、Wi-Fiとの比較
sXGPは、ネットワーク主導によるハンドオーバー処理を行うため基地局が変わっても途切れません(PHSと同様)
sXGP
端末からの周辺基地局情報に基づき、基地局が連携しハンドオーバー処理を制御するため、移動しながらでも大切な通話・データ通信が途切れることがありません
Wi-Fi
基本的にはアクセスポイント間の連携はなく端末主導でアクセスポイント切替を行うため、通話・データ通信が途切れる場合があります
sXGP基地局仕様(抜粋)
コンセプト
- アンライセンスプライベートLTEのエントリーモデル
- 省令改正(チャネル1 → 3)対応により、柔軟なエリア設計が可能
- オフィス/病院などでの活用を想定した仕様を具現化
※ 取付金具(同梱)
外形サイズ | W232 mm×D232 mm×H45 mm以下(突起物含まず) |
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質量 | 1.8 kg(壁掛け金具含まず) |
設置場所 | 屋内(壁掛け、または天井) |
電源 | DC12V(ACアダプタ別売)PoE+(IEEE802.3at) |
消費電力 | ACアダプタ動作時最大24W / PoE+(IEEE802.3at)規格準拠 25.5 W |
適用規格 | ARIB STD-T118/3GPP TD-LTE |
周波数 | 3GPP Band39 1891.0/1899.1/1914.1 MHz ※2020年度省令等改正対応版 |
最大送信電力 | 200 mW(23dBm) |
MIMO | DL 2x2 MIMO |
バンド幅 | 5 MHz |
通信レート | DL:最大約14 Mbps UL:最大約4 Mbps |
アンテナ | 外部アンテナ 4dBi以下 |
同期 | 下記のいずれか (1) GNSS (2) PTP(IEEE1588v2, ITU-T G.8275.1) |
接続UE数 | 最大32UE |
※製品の形状・諸元は変更となる場合があります
自営等BWAシステム
自営等BWAシステムは
(1)プラント・工場など広大な敷地で活用できるローカルネットワーク
(2)オンプレミス型のシステムのため、有事の際にも安定稼働が可能
(3)登録免許制による周波数を専有して使用することで、外部の影響を受けにくい
など、広範囲の敷地を持つ企業やネットワーク高度化の無線インフラとして利用が可能です。
広大な敷地におけるBWA基地局設置は、ネットワーク構築を安価に実現、セキュアなネットワーク構築/データ利活用により、現場業務をサポートします
現場プロセス改善を支援するソリューション
パナソニックが推進する「現場プロセスイノベーション」を支える主力事業の1つである「現場マルチネットワークサービス」は、ネットワーク、ソフトウェア、エッジデバイスに、ミッションクリティカルな現場で使われてきた無線インフラを支える知見を組み合わせて「現場プロセスの改革」を進め、お客様の現場のデジタルトランスフォーメーションの実現にお役立ちします。
ローカル5Gとの親和性
パナソニックではローカル5Gシステムの開発をしており、今後発売されるシステムにおいてマルチアクセス技術を実装する予定です。 プライベートLTEで敷設した基地局は入替不要で、現場環境に最適なネットワークとしてローカル5Gの導入も可能です。