JR博多シティ様
九州最多の乗降客を誇るJR博多駅のターミナルシティ
JR博多シティ様は、九州新幹線鹿児島ルート全線開業に合わせて再開発が行われ、2011年3月3日に開業した駅ビル複合商業施設。
核テナントである百貨店のほか、約400店を数えるショップ・飲食店、シネマコンプレックスやイベントスペース、会議室などを有しており、JR九州グループの株式会社JR博多シティ様が管理・運営を行っています。
導入の経緯
機器とシステムの同時リニューアルで効率のいい柔軟なメディア運用が可能に
JR博多シティ様では2011年3月の開業以来、デジタルサイネージを活用されていましたが、既存設備の経年劣化を解消することに加え、ポスター貼りスペースのデジタルサイネージ化による機動性の高い情報発信や、システム刷新による情報伝達フローの簡略化、コンパクトで柔軟なオペレーション体制の構築などを実現するため、リニューアルを検討されました。機器の性能はもちろん、既存システムからの移行がスムーズであること、メンテナンスやアフターサービスへの安心感など、総合的なご評価から、約150台の液晶ディスプレイをはじめ、配信システム『AcroSign®』を活用したクラウドサービスやシステム構築を含めたトータルソリューションとして、ご採用をいただきました。「当施設のようにさまざまな場所に多くの媒体スペースを抱えていて、さらにそれらを効率よくかつ柔軟に運用するためには、デジタルサイネージの拡充とシステムの最適化がいかに重要かをあらためて実感しています」。
(営業部 販売促進課長 上野晶子様)
システムの紹介
表示コンテンツをエリアごとに区分
「すべてのデジタルサイネージは、施設への流入・回遊を促してテナントの売上向上をバックアップするための自社メディアとして活用しています」と、サイネージ運用に明確な目的を持っておられます。各施設では主に設置場所によってグループ分けがなされ、それぞれ目的に応じたコンテンツが表示されています。「1階の駅コンコースや地下1階通路に新たに設けられた縦型デジタルサイネージでは、イベントや催事、映画情報を表示することで高層階への来館を。施設入り口に立てられた特注の可搬式架台に据え付けた縦型サイネージでは、新店や催事情報などを表示することで認知と来店を。リプレイスを行った館内エレベータホールなどのデジタルサイネージでは、各店の新商品・新入荷などの情報が順次表示することで館内回遊を促進するなど、グループごとに別の役割を持たせています」とのこと。
また、新システムでは情報管理を集約して行え、運用方法も簡略化されたため、「ポスターを多用していた頃と比べ、情報収集の締め切りにゆとりが生まれただけでなく、印刷コストや貼り出しに割かれていた時間・労力など作業コストも大幅に削減できました」と、業務の省力化も実感されています。さらに、「リニューアル前は、震災や悪天候で交通機関が麻痺してしまうと、オペレーターも出社できませんから緊急対応ができないというジレンマも抱えていましたが、今回『AcroSign®』によるクラウドサービスでの情報管理に切り替えたことで、場所や時間を選ばないオペレーションができるようになりました」と、適切なタイミングでお客様へ情報提供することが可能になったことを大変喜ばれていました。
コンテンツ制作はテナントと分担も
店舗情報コンテンツの制作フローについても、利便性が向上しています。
「これまではテナントから集まる情報を運営側でひとつずつコンテンツ化していたのですが、システムを刷新したことで、テナント側でモバイル端末などから手軽にコンテンツ作成ができ、運営側はチェックして特に問題なければそのまま運用を行えるようになりました」。年に一度開催されるテナントの接客力を競うコンテストの副賞には、館外を含むデジタルサイネージジャックでのPR権が与えられる企画も行われています。「これからもデジタルサイネージならではの機動性を活かした施策を展開しながら、テナントにもお客様にも満足いただける施設を目指していきたいと思いますね」。
導入を終えて
駅ビルの役割として速報システムの確立も
「JR博多シティは商業施設ではありますが駅ビルでもありますから、事故や災害による鉄道の緊急速報など、お客様が知りたい情報をできる限りリアルタイムにお伝えできればと考えています。今回のデジタルサイネージのリニューアルを機に、より早く確かな情報告知ができる仕組み・システムの開発にも取り組んでいきたいと思っています」。