愛知県公立大学法人 愛知県立大学様
課題
学生が積極的に学び、互いの技術を高め合う学習支援システムをつくりたい
解決策
36面の大型マルチディスプレイとAIアシスタントの連携により、学生同士のディスカッションを活性化
学生たちが自発的に使いたいと思えるようなシステムを構築できました。
背景
進化する演習室
近年の高度情報化社会を牽引する多くの技術者を育成・輩出している愛知県立大学様の情報科学部には、常に最新のシステムとなるよう5年に1度リニューアルしている「コンピューター演習室1」があります。開設当初の2000年には、講師が教壇に立ち学生に説明する形式の授業が行われており、デスクトップのPCを全席に配置し学生が全員前を向いたレイアウトでした。時代を経て2015年には可動式のデスクによるグループワーク用演習室に進化。そして2020年春、さらなるディスカッションの活性化を目指しシステムの全面更新が行われました。
導入理由
壁一面のマルチディスプレイとAIアシスタント
学生同士のディスカッションを活発にするため、研究成果を大きく映し出すディスプレイや、それらを瞬時に呼び出すコントロールシステムが必要でした。リニューアルを担当した村上和人教授は語ります。「壁一面に設置した36面マルチディスプレイは、ベゼル幅が0.44 mmと非常に狭いため、継ぎ目を気にせず臨場感を持って見ることができます。またAIアシスタントを導入し、声を掛けるだけで誰でも簡単にディスプレイを操作できるようにしました。音声認識は初の挑戦でしたが10年経っても古さを感じないような、非常にレベルの高いシステムになったと思います」
導入後の効果
音声認識でスピーディなグループディスカッション
AIアシスタントと連携したマルチディスプレイは、たとえば「2番のパソコンの画面を出して」と声を掛けるだけで、その画面を瞬時に表示させることが可能です。演習室の全てのPCから次々に表示させることができるため、複数名でのグループディスカッションで、よりタイムリーなディベートが可能になりました。村上教授は、「AIアシスタントとの連携でマルチディスプレイの操作が一段と簡単になりました。『電源を入れて』と発声するだけでディスプレイが立ち上がるため、授業前の事前準備も必要ありません。難しい操作が不要になったことで学生たちも抵抗なく使ってくれるようになりました」と語ります。
簡単操作により学生参加型の一体感ある授業を実現
マルチディスプレイに表示させたコンテンツは、全40台のノートPC(レッツノートCF-SV8)を使って学生が自分で動かせるようになっています。「専用の端末を設けてしまうと教員しか操作しなくなってしまうため、全てのPCに操作用ソフトを搭載しました。操作は非常に簡単で、初めて見た学生でもスムーズに使うことができています」と村上教授は話します。
自動追尾カメラシステムで授業をアーカイブ
演習室には、教員の動きを自動で追尾して講義の様子を撮影できるカメラシステムを配備。村上教授は、「以前から『授業をもう一度見たい』という学生からの声が多数ありました。しかし全ての授業にカメラマンを用意することはできないため、代わりに自動追尾撮影システムを導入しました。実際に使用すると想像以上に高性能で、教員が動き回ってもしっかりと捉えて撮影できます。人物を検出する機能の他、顔認証機能も付いているので、教員の顔を登録しておけば近くを学生が横切ったとしても誤認識することなく教員だけを中心に撮影してくれます」と語ります。
納入機器
- マルチスクリーン対応超狭額縁液晶ディスプレイ TH-55VF2HJ×36面
- マルチディスプレイ制御システム(特注品) ×1式
- AIアシスト制御システム(Googleアシスタント) ×1式
- HDインテグレーテッドカメラ AW-HE75K×1台
- 自動追尾ソフトウェアキー AW-SF100G×1式
- レッツノート CF-SV8×40台
- ノートPC充電ラック ×1台
- 800 MHz帯ワイヤレスマイクシステム ×1式
- デジタルミキサー WR-D01 [販売完了] ×1台
- ワイヤレス画像伝送システム ×1式
- AIスーパーコンピューター ×1式
- その他 プリンター・什器等
※GoogleアシスタントはGoogle LLCの商標または登録商標です。
お客様の声
学生自身が進化させていく演習室
今回のリニューアルにより、学生たちが自発的に使いたいと思えるようなシステムを構築できました。これからも、ディスカッションや研究はもちろん、ありとあらゆる用途でこの演習室を使ってもらえたら嬉しいです。若い学生たちの新たな発想で、どんな使い方をしてくれるのか、楽しみに見守っています。
お客様紹介
次の時代をリードする人材を育成
1966年に開設した愛知県立大学様は外国語学部、日本文化学部、教育福祉学部、看護学部、情報科学部の5学部を持つ公立大学です。今回システムのリニューアルを行った情報科学部は、最新設備でロボットの研究・実験を行う「次世代ロボット研究所」を開設するなど、常に時代を先取りした教育が行われています。